プロテインには、多くの種類があります。
プロテインを飲んだことのない方は、どれを選べばいいか迷うでしょう。
せっかくプロテインを飲むなら、効果が高いものを選びたいですよね?
そこで今回は、論文などの科学的なデータに基づいて、プロテインの選び方や製品を紹介。
これを読めば、お金とトレーニングを無駄にしないプロテイン選びができるようになります。
最初に結論をいってしまうと
「100gあたりのタンパク質が70g以上のホエイプロテイン」
を選べば、ほぼ間違いないです。
プロテインの種類は主に3つ

プロテインの種類は、主に「ホエイ」「カゼイン」「ソイ」の3種類です。
これらは原料が違います。
牛乳由来の「ホエイ」と「カゼイン」
牛乳に含まれているタンパク質は、約20%がホエイ(乳清)、約80%がカゼイン(乳固形分)です。
ヨーグルトを置いておくと、液体と固形に分離しているのを見たことあるかと思います。
液体に含まれているタンパク質が「ホエイ」、固形に含まれているタンパク質が「カゼイン」。
これらを分離して、パウダー状にしたものが「ホエイプロテイン」と「カゼインプロテイン」です。
ホエイプロテインは水溶性(水に溶けやすい)のため、身体への吸収速度が速い。
反対にカゼインプロテインは不溶性(水に溶けにくい)のため、身体への吸収速度が遅いという特徴があります。
大豆由来の「ソイ」
大豆から油脂を取り除いて、タンパク質を抽出したものが「ソイプロテイン」。
大豆が原料のため、価格が安いという特徴があります。
選ぶなら、ホエイプロテイン一択
基本的にはホエイを選びましょう。
なぜならソイやカゼインに比べて、プロテインとしての効果が高いからです。
ホエイプロテインが優れている点は
- 吸収効率が良い
- 必須アミノ酸が多い
- 水に溶けやすい
具体的にみていきましょう。
吸収効率が良い
ホエイは身体への吸収効率が優れています。
「吸収効率が良い」=「効果が高い」
ということです。
下の表は、タンパク質を評価する指標をまとめたもの(1,2,3)。
種類 | 生物価 | 正味タンパク質 利用率 | タンパク質 効率比 | PDCAAS |
---|---|---|---|---|
ホエイ | 104 | 92 | 3.2 | 1.00 |
カゼイン | 77 | 76 | 2.5 | 1.00 |
ソイ | 74 | 61 | 2.2 | 1.00 |
簡単に説明すると
- 生物価(BV)=摂取したタンパク質のうち、どれくらい身体に吸収されたかを示す値
- 正味タンパク質正味利用率(NPU)=摂取したタンパク質のうち、どれくらい身体に残ったかを示す値
- タンパク質効率比(PER)=タンパク質1gあたり何g体重が増加したかを示す値
- PDCAAS(タンパク質消化吸収率補正アミノ酸スコア)=アミノ酸スコアと、消化吸収率を合わせて評価した値(最高で1.00)
これらの指標は、数字が大きいほどタンパク質の質が高い(吸収効率が良い)ことを意味します。
(それぞれを細かく理解する必要はないですよ。)
比較するとホエイは、すべての指標でカゼインとソイを上回っています。
これは摂取したプロテインが、身体に効率よく吸収されるということ。
つまりホエイは、プロテインとしての効果が最も高いのです。
必須アミノ酸が多い
ホエイは必須アミノ酸が多いため、筋肉の成長に最適。
タンパク質はアミノ酸からできています。
そのアミノ酸の中で、ヒトが身体で作ることのできない9種類を必須アミノ酸といいます。
必須アミノ酸は体の成長に欠かせない栄養で、もちろん筋肉の成長にも重要。
その必須アミノ酸が、ホエイには多く含まれています(4)。
またその中でも、筋肉の成長に最も重要といわれている「ロイシン」の量も豊富です。
必須アミノ酸 | ロイシン | |
---|---|---|
ホエイ | 52 | 13.6 |
カゼイン | 48 | 10.2 |
ソイ | 38 | 8.0 |
つまりホエイは栄養価が高く、筋肉の成長が最も見込めます。
水に溶けやすい
ホエイは水に溶けやすく、手軽に飲むことができます。
見逃しがちですが、けっこう重要な部分だったりします。
なぜなら水に溶けないプロテインは飲みづらく、純粋にめんどくさいからです。
水に溶けにくいと、ダマになったり、シェイカーにくっついたりします。
飲むために必要な水の量も増えて、お腹チャポチャポなんてことも。
その点ホエイは水に溶けやすいため、さらっと飲めてしまいます。
プロテインを日常的に飲むことを考えると、この手間の違いは重要です。
ポイント
・ホエイは吸収効率が良く、必須アミノ酸が多い
⇨ 筋肉の成長に最適
・水に溶けやすく、飲みやすい
具体的なホエイプロテインの選び方

ホエイプロテインの中でも様々な種類の製品があります。
コンセントレート(WPC)とアイソレート(WPI)の違いは純度
ホエイプロテインには、コンセントレート(WPC)とアイソレート(WPI)があります。
コンセントレートは、一般的なホエイプロテイン。
アイソレートは、コンセントレートをフィルターにかけて不純物を取り除き、タンパク質の割合を増やしたもの。
違いは以下のとおりです。
種類 | コンセントレート (WPC) | アイソレート (WPI) |
---|---|---|
タンパク質の割合 | 80%程度 | 90%程度 |
カロリー | 低い | WPCより低い |
乳脂肪 | あり | ほぼなし |
乳糖 | あり | ほぼなし |
吸収速度 | 速い | WPCより速い |
価格 | 安い | 高い |
アイソレートは製造工程が増えるため、価格は高くなります。
(タンパク質あたりの価格を考えると、それほど高くない場合もあり)
その代わりに、タンパク質の割合が90%前後と高いです。
また乳脂肪や乳糖がほぼ含まれていないため、コンセントレートより吸収が速くてカロリーも低い特徴があります。
アイソレートは「洗練されたホエイプロテイン」といったところでしょうか。
アイソレートのほうが高価ですが、プロテインとしての性能は高いのです。
しかしその差は少なく、正直な話、どちらを選んでもほとんど違いは感じないでしょう。
特にタンパク質の量を同じにすれば、筋肉に与える効果はほとんど変わりません。
価格を考えると、コンセントレート十分。
そのため
- 少しでも効果が高い方が良い
- 少しでもカロリーを減らしたい
- 少しでも消化吸収が速い方がいい
とこだわる方は、アイソレートを選ぶと良いでしょう。
乳糖不耐症の方はアイソレートを選べ
こだわる方以外で、アイソレートを選んだほうがいい方もいます。
それは乳糖不耐症の方。
「乳製品を摂取するとお腹の調子が悪くなる」という方です。
これは体質的に、乳糖が消化吸収できないために起こります。
そんな乳糖不耐症の方は、アイソレートを選びましょう。
なぜならアイソレートは、製造過程で乳糖が取り除かれるからです。
含まれている乳糖は極めて少なく、1%以下(1)。
そのためアイソレートにすれば、乳糖不耐症の方でも問題なく飲めるでしょう。
ポイント
コンセントレートの純度を高めたものが、アイソレート
タンパク質の量を同じにすれば、効果はほぼ変わらない
- 乳糖不耐症、こだわりたい方 ⇨ アイソレート
- それ以外の方 ⇨ コンセントレート
糖質入りは必要ない
タンパク質だけでなく、糖質も含まれているプロテインもあります。
特別な理由がなければ、この手のプロテインは選ぶ必要はないでしょう。
なぜなら糖質は、食事で摂取すればいいからです。
そもそも糖質が入っているのは「タンパク質+糖質」を摂取すると、疲労回復やパフォーマンスアップに効果があるからです。
確かにそれは正しく「タンパク質+糖質」で効果はあります(5)。
だからといって、糖質入りのプロテインを選ぶ必要はありません。
食事で十分まかなえるのであれば、糖質入りのプロテインは不要なのです。
特に糖質はタンパク質に比べて、食事で摂取することは簡単。
むしろ糖質を摂りすぎて、カロリーオーバーになっている方も、、、
食事の管理をできないと、糖質入りのプロテインはデメリットが大きいです。
とはいえ糖質入りのプロテインが使えるシチュエーションはあります。
例えば
- 外出先で手軽に「タンパク質+糖質」を摂取したい
- 運動前後に固形物を食べたくない
- 体重を増やしたい
など。
そんなときには、別でマルトデキストリンを用意しましょう。
マルトデキストリンとは、糖質入りプロテインにも含まれている糖質の1種。
これをプロテインに混ぜて飲むことをおすすめします。
要するに「糖質入りプロテインを自作しよう」ということ。
そのほうが安上がりですし、糖質の量も調整できて便利です。
ポイント
- 糖質入りのプロテインは不要(100gあたりのタンパク質が70g以上のプロテインを選ぶ)
- 糖質は食事で摂れば十分
- 糖質入りプロテインが必要なときは、マルトデキストリンを混ぜて自作
乳製品にアレルギーがあるなら、ソイプロテイン
乳製品にアレルギーがある方は、ソイプロテインを選びましょう。
乳製品はアレルギー症状が出ることがあります。
さきほどお話した乳糖不耐症は、アイソレートにすることで避けることができます。
しかしアレルギーの原因物質は、アイソレートでも取り除くことができません。
例えば、乳製品に含まれているβ-ラクトグロブリンなど。
アイソレートでも体調が悪くなる方は、ホエイプロテインを避けてソイプロテインにしましょう。
(カゼインも乳製品なので避けてくださいね。)
また米を使った「ライスプロテイン」や、エンドウ豆を使った「ピープロテイン」などもあります。
マイナーなプロテインですが、これらも選択肢に入れてもいいかもしれません。
カゼインは必要か?
カゼインは吸収速度が遅いことにメリットがあるといわれます。
具体的には
- 寝る前に摂取すると筋肉が合成される
- 空腹感が減る
この効果についてみていきましょう。
寝る前に摂取すると筋肉が合成されるは本当?
カゼインは「吸収が遅いため、体内のアミノ酸レベルを高い状態で維持できる」といわれます。
「アミノ酸レベルが高い状態」=「筋肉が合成されやすい状態」。
つまり「寝る前にカゼインを摂取しておくと、寝てる間も筋肉が合成されるのでは?」ということ。
実はこの通説は、立証されていません。
例えば、この実験(6)。
以下の2つのグループに分けての実験。
- 寝る前に35gのカゼインを摂取したグループ
- 午前中に35gのカゼインを摂取(寝る前に35gの糖質を摂取)したグループ。
10週間後の結果は「どちらのグループでもほとんど違いは無し」。
1日のタンパク質の量が同じなら、いつ摂取しても変わらないという結論です。
それどころか「吸収が速いほうが筋肉の成長に良い」というデータは多いです(7,8)。
結果として筋肉の成長を考えると、カゼインを使う理由はありません。
※中には寝る前のプロテインは筋肉にいいという結果もあります(9)。
デメリットがあるわけではないので、アスリートやボディビルダーならありかも、、
空腹感が減るのは本当?
吸収が遅いと腹持ちがいいため、空腹対策になるといわれることもあります。
実はこれも間違いです。
ホエイとカゼインの比率を変えて、食欲や摂取カロリーを比較した実験が参考になります(10)。
3つのグループに分けての実験。
朝食でプロテイン15gを以下の比率で摂取。
- ホエイ:カゼイン=20:80
- ホエイ:カゼイン=50:50
- ホエイ:カゼイン=80:20
結果は「どのグループでも、食欲や摂取カロリーの変化なし」。
つまり「同じ量のタンパク質を摂取していれば、種類は関係ない」ということです。
これはホエイやカゼインだけでなく、ソイプロテインでも同様。
減量目的でプロテインを使用する場合は、種類を気にせず、タンパク質を多く摂ればいいだけです。
ポイント
- カゼインの吸収が遅いことによるメリットは、ほぼない
- 筋肉を増やしたいとき、摂取タイミングは関係ない
- 空腹感を減らしたいとき、プロテインの種類は関係ない
⇨ タンパク質の量を増やせばいいだけ
おすすめのプロテインは「マイプロテイン」

僕は「マイプロテイン」というメーカーの「Impact ホエイ アイソレート(WPI)」を使っています。
選んでいる理由は
- ホエイプロテイン
- アイソレート(コンセントレートより少しでも効果が高いから)
- マイプロテインは安価な上、品質が非常に高い
マイプロテインは、ヨーロッパNo.1ブランドで、110ヵ国以上で販売を行っています。
「ALS」を始めとした第3者品質認定機関の認証がついているため、品質もばっちり。
安心安全のプロテインメーカーです。
マイプロテインは、公式サイトで購入できます(海外通販のため、届くまでに1~2週間程度)。
公式サイトでは、定期的にセールがあり、安く購入できることも。
またAmazonで手軽に購入することも可能です。
公式サイトで初回¥1500offクーポンコード:FBD1-R1
まとめ:プロテインを選ぶ基準
- 効果を考えると、ホエイプロテイン一択
- 乳糖不耐症の方は、ホエイプロテインアイソレート(WPI)を選ぶ
- 乳製品にアレルギーがある方は、ソイプロテインを選ぶ
- 糖質が入っていないものを選ぶ(100gあたりのタンパク質が70g以上)
正しく選んで、お金とトレーニングを無駄にしないようにしてくださいね。
<そもそもプロテインが必要か?と思っている方へ>
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