レビュー

【体験談】自動でフィッティング⁉idmatchの良さとは?

2022年8月5日

様々なメーカーが提供している有料フィッティング。

その中でも、まだ日本に2台しかない最新鋭のフィッティングサービス『idmatch BIKE LAB』を受けてきました。

感想は「サイクリストは全員idmatchをためすべき!」です。

なぜなら、科学的なデータからポジションやパーツの悩みを完全に解決できるから

まだ、idmatchを受けた方は少ないと思います。

そこで、今回は実際にidmatchでフィッティングを受けてみて

「idmatchってどんなフィッティング?」

「idmatchって何が良いの?」

などの疑問について解説します。

idmach BIKE LABOとは

『idmatch BIKE LAB』は、selleItalia(セライタリア)のフィッティングサービスです。

公式サイト:https://www.idmatch.cc/ja

特徴を簡単にまとめると

  • 自動に短時間で最適なポジションを出す
  • フィッターの技量によらず、大量のデータから科学的な適正ポジションを出す
  • 自分にマッチしたフレームやパーツがわかる

メーカーいわく

3Dスキャニングでライダーの動きを全方位から、マーカーを使わず高精度にキャプチャーし解析します。

idmatchBikeLab本社のシステムとつながり、オートマチックに短時間で最適なポジションを導き出します。

300ブランド、10000モデル以上のフレーム、サドル、ハンドル、ステムのデータベースを持ち、正確な製品選びに役立ちます

バイクフィットは考え方ではありません。

事実に基づいたサイエンスです。

バイクフィットは職人芸ではありません。

フィッターの習熟度に関係なく、マーカーを使わない高精度の身体測定からスタートします。

バイクフィットはパワー計測ではありません。

各関節の最適可動域、空気抵抗に関する研究、身体の状態等を直接・間接的に考慮に入れることで適正ポジションを導き出します。

とのことです。



idmachを受けた理由

新しいロードバイクを購入するために

今回idmachを受けた最大の理由は、新しいロードバイクを買おうと思ったからです。

2022年5月に新型ultegra(R8100)が搭載されたCanyonのAeroadが販売開始したため、それを買おうと考えていました。

Canyonは代理店を通さず、通販でしか買えないメーカー。

Canyonの公式サイトでは、身長と股下からベストなフレームサイズを割り出してくれます。

しかし、そのフレームサイズが本当にあっているかどうか、、、

買ってから、「サイズ合わないじゃん」なんて失敗はしたくありません

そのため、自分にマッチしたフレームやパーツがわかるidmachを受けることにしました

※ちなみに今回フィッティングを受けたサイクルショップ スフィーダさんはCanyon正規サポート店です。


ポジションが変わっているかもしれないため

もう一つ理由があって、現在のポジションが自分にあっているか確認したかったからです。

初心者の頃にフィッティングサービスを受けてから約4年経ちました。

その頃から現在まで、全くポジションを変えていません。

乗り方や走力も当時とは違うと感じているので、確認するべきと考えました。



idmachの手順

GCN Japanさん、サイクルパラダイスさんの動画がまとまっていて分かりやすいと思います。

STEP1 ヒアリング

自転車種類(ロードバイク、MTBなど)、使用用途、目標などを伝えます。

また、乗っていてケガや違和感がある部位、体重をidmatchに入力します。

僕の場合は、「なるべく速く走りたい」、「ケガは特になし」としました。


STEP2 計測

全身の計測

指定のポーズを取ることで、マーカーレスの3Dモーションキャプチャカメラで、身長や身体の各部位の長さ、柔軟性、骨盤の傾きなどを計測します。

これにより、自分にあったハンドル幅、サドル形状、クランク長が決定します。


足の計測

器具を使って、足の長さや母指球の位置を計測。

次に手すりにつかまり片足で屈伸することで、膝が外向きか、内向きかを計測。

それらのデータから、器具を使って正確にクリートを合わせてくれます。

僕は、左右で母指球の位置が違うみたいで、クリートの位置が左右で違う位置になりました。

また、膝の傾きはないらしく、クリートはまっすぐの取り付けです。

ここでびっくりしたのが、シューズ(SH-RC901)に書いてあるメモリのまっすぐと、実際のまっすぐが違うということ。

シューズのメモリを頼りに取り付けると2°程度ずれるらしいです。

STEP3 現在のポジションの計測

現在使用している自転車のサドル位置やハンドル位置を計測。


STEP4 フィッティング

STEP2で計測したデータを元に、適正なハンドル・サドルに付け替えます。

また、STEP3で計測した現在のポジションに、マシンをセッティング。

いよいよ実際にマシンにまたがって、フィッティング開始です。

一定のケイデンスで回すように指示されます。

しばらく漕いでいると、「ウィーン」とハンドル・サドルの位置が自動で変化。

一定時間ごとに、また位置が変わる。

それを繰り返します。

その様子を3Dモーションキャプチャカメラで計測して、最適なポジションを割り出すようです。

マシンに乗っている時間は大体15分程度

フィッティング時は完全に自動なので、フィッターの方も離れて、一人寂しく淡々とペダルを回し続けていました。笑

扇風機がありましたが、結構汗かきましたね。


全体を通して大体1時間程度で終了。



結果

結果のデータ

測定後、結果表がもらえます。

ミリ単位で数値が計測されています。

※身長はリラックスしたときの状態で測るので、通常の身長より小さくなります(僕は通常165cmです)。

この結果から、登録されている大量のフレームやパーツから、自分にあった製品を探すことが出来ます



変わった所

クリート位置

途中でも言いましたが、クリートの位置が変わりました。

左は位置は殆ど変わりませんでしたが、右は数mm前へ移動。

また、角度が正確にまっすぐとなりました。


ステム長の変化

ステムの長さが90mmから100mmに変化しました。

これまでステムの長さを変えたことがなかったので、これで乗り心地が変わるのか半信半疑です。


サドル形状

適正なサドル形状は幅が細く、穴が大きく空いているものでした。

現状のサドルは穴などなくて幅も広いものなので、まったく僕にはあっていないとのことです。笑

しかし新車購入を検討しているため、とりあえず今回は交換を見送りました。

実走してみると

実走して一番感じたことは、上半身の前傾が楽になったことです。

特に深い前傾姿勢になったときは、全然違います

姿勢の維持もしやすいし、呼吸も楽。

これまでは気が付かなかったけど、少なからず無理して前傾していたのだと思います。

また、意外だったのが上りでのダンシング。

安定感が増して、ハンドルが振りやすくなりました。

クリート位置も最初は違和感がありましたが、しばらく乗っていると気にならなくなりました。

実際にどの程度走りに影響しているかはわかりませんが、、、

ただ、前はシューズの後ろがクランク当たることがたまにありましたが、シューズが内向きになったことによって解消されました。


新車について

今回の本題であった、CanyonのAeroadの購入についてです。

結果からいうと、今回は購入を見送りました

なぜなら、ステム長が合わないからです。

完成車のステムが、フィッティング結果より10mm短いのです。

買おうと思っていたCanyonのAeroad SLX は、専用のステム一体型ハンドルとなっているのですが、ステムの長さが選べません。

また、別途でステム一体型ハンドルを買うことができないので、完成車のものを使用するしかありません。

そのため、実質的にステム長が変えられず、、

ステム長が10mm短いだけなので、乗ろうと思えばの問題なく乗れるでしょう。

実際のところ、フィッターの方も

「フィッティングはあくまで参考なので、そこまで問題なく乗れると思いますよ」

とのこと。

僕もフィッティングの結果が全てではないことは分かっています。

ただ、今回のidmatchでステム長を10mm長くして実走した際に、違いを明確に感じてしまいました。

そのため、次に買うロードバイクは理想のポジションを追求したいと感じ、新車購入を延期しました。



メーカーの推奨身長はあてにならない?

またぜひ知っておいていただきたいのが、メーカー推奨のフレームサイズとidmatch推奨のフレームサイズは異なることがあるということ。

私の場合、Canyonの公式サイトで、身長と股下からすすめられるフレームサイズは、2XSです。

しかし、idmatchで測定した結果ではXSでした。

これは明確な違いですね。

試乗して適正のフレームサイズが分かる場合もあるかもしれません。

しかしショップでも全フレームサイズの在庫をおいてあるわけでもなく、試乗ができないことのほうが多いでしょう。

また現在はCanyonを始めとして、ネット通販でロードバイクを買うことも多くなっています。

ロードバイクは安い買い物ではありませんし、買ってから後悔したくありませんよね

そのため、idmatchで適正フレームサイズを調べることは大きな意味があるでしょう。



バラ完でも役立つ

完成車ではなく、フレームとパーツをそれぞれ準備して組み立てるバラ完。

そんなバラ完でも、idmatchは大いに威力を発揮するでしょう

idmatchの結果をもとにハンドルやステム、サドル、クランクなど各パーツを揃えれば、迷う時間や無駄なお金を使わずに済みます



アフターサービス

個人のデータはサーバーに登録されているので、ショップでいつでも適正パーツを調べることができます

「気になる製品があれば、いつでもお調べしますよ。気軽に聞いてください。」とのこと。

今後も新車の購入を検討していくのでとてもありがたい。

またデータベースに登録されていないフレーム等も、ジオメトリーがわかればサイズは問題なく割り出せるそうです。



ロードバイク以外でも

今回はロードバイクのフィッティングについてでした。

しかし、ロードバイク以外のTTバイクやMTB、シクロクロスなど、様々な車種に対応しています。



デメリット

33,000円は高いか?

スフィーダさんでは初回&再フィッティングで33,000円。

正直安いとは言えません。

しかし、得られるメリット、特にフレームやパーツ選びに失敗することがなくなると考えると、十分コストに見合う料金だと思います



店舗が少ない

idmatch BIKE LABを受けることができるショップは、日本に2店舗しかありません(2022年8月現在)。

東日本ではサイクルショップ スフィーダ(埼玉)さん、西日本ではbici paradiso Augurio(大阪)さんのみです。

関東地域や近畿地域に住んでいれば良いですが、流石に他の地域から行くのは大変かと思います。

今後取り扱いショップが増えてくれることに期待しています。

また、クリートフィットなら他のいくつかのショップで受けることが出来ます。



あらためてidmatchの良さを上げると

  • 自動に短時間で最適なポジションを出す
  • フィッターの技量によらず、大量のデータから科学的な適正ポジションを出す
  • 自分にマッチしたフレームやパーツがわかる



データから科学的に適正ポジションやフレーム、パーツを割り出せるところが、他にはない強みです。

また

”データが蓄積されていくことで、フィッティングの分析精度が向上していくシステム”

というところが最新鋭のフィッティングサービス『idmatch BIKE LAB』のすごいところです。

受けられる店舗は限られますが、初心者の方、ポジションに迷っている方、新車やパーツ交換を考えている方は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

受けてなかったことを後悔するその前に

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