ロードバイクを始めると、気になるビンディングペダル。
「みんなが使っているから使ったほうが良いのかな?」
「ビンディングペダルって効果あるの?」
「ビンディングペダルは足が固定されているから危なくない?」
と疑問に思う方も多いでしょう。
そこで今回は、ビンディングペダルとフラットペダルの両方を使っている私の経験を踏まえて、ビンディングペダルを使うべきか、メリット・デメリットを解説していきます。
ビンディングペダルが必要な人は?
最初に結論を言ってしまうと、速さを求める人にはビンディングペダルが必要です。
そうでない人は無理にビンディングペダルを使う必要はありません。
なぜなら、ビンディングペダルの最大のメリットは足が固定されていることで、滑らずペダルに力を加えやすくなることだからです。
分かりやすいのは、スプリントですね。
スプリントではペダルを強い力を加えつつ、足を高速で回さなければなりません。
その時に足が固定されないフラットペダルで行うと、正しいペダルの位置に足を置きつつ、滑らないように気をつけながら、全力でペダリングをしなくてはなりません。
考えただけでも、それが難しいことが伝わるかと思います。
もちろんスプリントだけでなく、加速、巡航、ヒルクライム、ダウンヒルなど全てでいえることです。
したがって、ビンディングペダルは速さを求める人向けと言えます。
それ以外にもビンディングペダルのメリット・デメリットがありますので細かく見ていきましょう。
ビンディングペダルのメリット
効率が良い
ペダルは足の母指球あたりで踏むと最も効率が良いとされています。
ビンディングペダルは毎回同じ位置に足をセットできるため、気にせずとも母指球あたりで効率よくペダリングすることが出来るでしょう。
また、一回一回のペダリング時にズレないため、力が逃げずロスが少なくなります。
ケイデンスが80rpm程度で1時間走るとすると、ペダリングの回数は約5000回。
1回あたりのロスが非常に少ないとしても、積み重なったときのロスを考えるとビンディングペダルの必要性がよく分かるでしょう。
安全
足がペダルに固定されているため、一見危険に見えるでしょう。
しかし、固定されているので、踏み外すことがないという点で安全です。
特に雨のときは、フラットペダルでは滑りやすくなり危険です。
私は滑りにくいフラットペダルを使っていますが、それでも雨の日はとても気を使います。
また、路面からの衝撃を受けた際に足がペダルから離れるなんてことも防ぐこととなります。
踏み外したときの危険性は速くなるに連れて上がるので、安全という面を見てもスピードを出す人ほどビンディングペダルが必要なのです。
実際ビンディングペダルだとスピードを出したときの安心感が全然違います。
引き足はメリット?
引き足の勘違い
「ビンディングを使うと引き足を使えるから効率良く走れる」なんて話もよく聞きます。
間違いではないのですが、誤解されている方も多々見受けられます。
私も最初は勘違いしていました。
なにが誤解かというと、ペダルを下死点(ペダルの一番下の位置)から上死点(ペダルの一番上の位置)まで引き上げるということです。
「引き足なんだからそうでしょ」と思われるかもしれませんが、これは正確ではありません。
本当の引き足とは
引き上げるのではなく、『ペダリングの邪魔をしないように持ち上げる』というのが正しいです。
どういうことかというと、踏み込んだ足の力を無駄にしないように、反対の足は下死点から上死点にかけてペダルに力が加わらないようにすることです。
実際のやり方としては太ももをしっかり上げる動作となります。
フラットペダルで十分
これらを踏まえると、引き足だけを考えるのであればビンディングは不要となります。
足がペダルから離れてしまうほど、足を引く必要がないからです。
フラットペダルでも引き足が出来ないようであれば、ペダリングが下手なだけです。
何ならフラットペダルで引き足を練習しても良いかもしれません。
ビンディングのデメリット
立ちごけ
よく耳にする「立ちごけ」。
うまくビンディングペダルを外せず、そのまま自転車と一緒に倒れることです。
怪我を負うのはもちろん、自転車が壊れるなんてこともあります。
私も使い始めたときは、何度か立ちごけしました。運がいいことに怪我は軽く、ロードバイクも走りに影響があるほどのダメージはありませんでした。
ただ、ロードバイク自体も納車して日が浅かったため、傷が入ったときはとてもショックだったのを今でも覚えています。
それに対して、フラットペダルでは相当なことがない限りは立ちごけをすることは考えられません。
そのため、ビンディングペダルの最大のデメリットは立ちごけで自転車を壊してしまうことです。
ただ、慣れてしまうとほぼ立ちごけをすることはなくなります。
なので、安全なところで練習することで立ちごけのデメリットもなくすことができるでしょう。
着脱がめんどくさい
ビンディングは止まるたびに着脱する必要があるのでめんどくさいです。
慣れればめんどくさいとまでは思わなくなりますが、フラットペダルと比べてしまうとやはり手間となります。
特に信号が多い道路などでは、頻繁に着脱をしなくてはならなくなるので結構な手間を感じるでしょう。
歩きにくい
ビンディングシューズはスニーカーに比べると歩きにくいです。
また種類にもよりますが、歩くとクリートがカツカツというので、お店に入ることを少なからずためらってしまいます。
メリット・デメリットまとめ
メリット:効率が良いペダリングができる、踏み外さないので安全
デメリット:立ちごけ、着脱が手間、歩きにくい
ただ立ちごけに関しては、慣れてからは私は起こしてないので、初心者のときだけかと思います。
ビンディングペダルの使い分け
ベンディングペダル必要→効率よくスピードを出したい人
速さを求めるなら、効率よく安全に走れるビンディングペダルを使用するべきです。
またスピードを出さないとしても、ロングライドをする方は使用すると良いでしょう。
長い距離を走ると、必然的にペダリングの回数が増えるため、ビンディングペダルの使用をおすすめします。
私は通常のサイクリングでは距離にかかわらず、ビンディングペダルを使用しています。
やはり、スピードを出した際の安心感が違いますね。
ビンディングペダル不要→気楽にサイクリング、街乗りをよくする人
スピードを出さないし、長い距離も乗らない、通勤や通学で使うだけ、街乗りメインという方はビンディングは使わなくても良いと思います。
フラットペダルの手軽さを優先したほうが良いでしょう。
私も以前は、通勤のクロスバイクではビンディングペダルを使用していました。
ただ、少し面倒くささを感じたために試しにフラットペダルに変えたら、「すげぇ楽じゃん」と思ったのでビンディングはやめてしまいました。
ちなみに現在は通勤にロードバイクを使用していますが、フラットペダルです。
お店に入りやすいので50kmぐらいまでの距離でしたらこちらのバイクを使用することもあります。


街乗りでも使っても大丈夫
不要とは言いましたが、もちろん街乗りでビンディングペダルを使うのがダメなわけではありません。
シマノでも歩きやすいSPDというビンディングもあります。
検討してみるのも良いでしょう。
おすすめはシマノ
ビンディングペダルを出しているメーカーは複数あります。
特にこだわりがないのであれば、シマノのビンディングペダルをおすすめします。
一番普及していて、交換パーツ等の入手性が高いためです。
SPD-SLとSPDがありますが、
速さを求めるなるSPD-SL、歩きやすくカジュアルに使うならSPDといった具合です。



自転車の用途に合わせて考えよう
ビンディングペダルには効率よく速く走る、安全に走るという点で間違いなく効果があります。
ただ、必要か不要かはスタイルによって異なるので、自分の使用用途で検討しましょう。
また、「立ちごけが怖い」というのは練習することでほぼ解決します。
そのため、立ちごけだけがビンディングを使わない理由になっている人には、ぜひ怖がらずに使ってみてほしいです。